杖道ってご存知ですか?!
実は、皆さんが日頃なんとなく見ている、あの棒です。
交番の前で、おまわりさんがアゴやヒジをのせている棒。
あの棒が、杖道で使う「杖(じょう)」です。
一見、茶色く薄汚れていて、油断させられますが、
ご注意あれ!
400年前から伝わる「一撃必殺の技」を秘めています。
わたしの家のそばに住む警察官OBのおじいさんは、
「警視庁の機動隊員なら杖道3段はもっていた」
「昔は安保闘争や学生運動が盛んだったからね」
と昭和の活躍を教えてくれます。
わたしの母親の世代(団塊の世代)にとっては、
あの日本が沸騰していた時代から半世紀を経て、
機動隊員が構えていたジュラルミンの盾(たて)と赤樫の棒(警杖)は、
すでに癒えた古傷(ノスタルジー)となったのでしょうか。
いつのまにか、日本ではストライキやデモ行進が少なくなってしまい、
杖道も警察官の必修科目から外れてしまったようですが、
平成21年(2009)の法律改正により、
杖(警戒杖)の携帯・使用が許可された民間の警備会社では、
杖道の訓練が取り入れられています。
「疵(きず)つけず 人をこらして 戒(いま)しむる
教えは杖の 外(ほか)にやはある」
《 体罰に頼らずに 反省させる そんな理想を教えるのは 杖道だけでしょう 》(意訳)
全日本剣道連盟の先生は、次のようにおっしゃっています。
剣道では、「殺人剣」をとことん修行した末に、「活人剣」に到達できますが、
杖道には、はじめから「活人剣」しかないと云う。不思議ですね。
杖道は、刀で切りかかってくる相手に対し、
こちらは丸い木の杖を遣い、相手をケガさせることなく、
相手の太刀を制し、戦いを納めるという武道です。
伝書にも「 剣人殺 故不足望 杖不殺人 」とあり、
「 剣や槍は人を殺すための道具に過ぎず、私たちが目指すものではない 」
と高い理想を謳っています。
江戸時代から伝わる技を一緒に稽古しましょう。
高羽 知紀
代表の高羽は、東京都渋谷区代々木にあった紘武館道場の門人であり、
故 松村重紘先生の直伝(じきでん)の教えを墨守(ぼくしゅ)しております。
松村先生は、2021年(令和3年)11月14日(日)にご逝去されました。
代々木の紘武館道場は、2022年(令和4年)12月31日に閉館し、
2023年(令和5年)2月、東京都板橋区に、
新(シン)紘武館道場を開館しました。
紘武館道場のホームページも参照ください。
神道夢想流杖術、全日本剣道連盟杖道につきましては、
以下のホームページの解説が参考になると思います。
★所沢杖友会(杖道、所沢市)
本来、ライバル団体を紹介することは控えるべきですが、
埼玉県の県東部(浦和、大宮など)に多くの杖道の団体がある一方、
県西部、狭山市近辺には杖道を稽古する団体が少ない現状です。
所沢杖友会は、所沢市民武道館で毎週日曜日の午前に稽古しています。
代表の朝比奈先生、並本先生は、
東京都杖道大会などで活躍される素晴らしい先生方です。
★習錬館道場(合気道、青梅市・新宿→板橋区)
主宰する渋谷力先生は、紘武館道場の大先輩にあたります。
青梅では、杖道の稽古もされていると聞きます。
★昌空館道場(空手道、小金井市)
主宰する田中昌彦先生は、日本空手協会の重鎮ですが、
杖道では、紘武館道場の同門にあたります。
最近は、杖を片手に空手の指導をされていると噂話も聞きます(笑)
以上、3つの道場につきまして、興味のある方は各々連絡されても構いませんし、
お口添えも可能かと思います。